⑩ 鳥の飛行の分類表

 力学的視点から、補足⑥~⑨で分類された鳥の飛行は、以下の分類表のように整理されます(補足⑥)。 それぞれの飛行の下に書かれた鳥の名を含む項目は、それらの飛行に対応するこれまでに制作された彫刻の表題を示しています。

Ⅰ 羽ばたかない飛行(補足⑦) 

 1 定常な飛行 

  ⅰ 揚力を利用した飛行―滑空飛行 

    トビの帆翔(熱上昇気流利用)
    ノスリのハンギング(斜面を登る気流利用)
    斜面を吹き上がる風に乗って帆翔するオオタカ
    アホウドリの帆翔(大気境界層の気流利用)
    短腕裂翼・長尾のキジの滑空
    フクロウの消音滑空 
    ハシボソガラスの減速滑空軟着陸
    水辺の樹上から池面に着水するオシドリ
    オナガの降り立つ姿

  ⅱ 抗力を利用した飛行―パラシューティング飛行 

    カルガモの着水
    高台の巣に降り立つコウノトリ
    緊急停止するフクロウ

 2 非定常な飛行 

  ⅰ 重力を利用した加速飛行―急降下飛行 

    カワセミの急降下 
    ハヤブサの急降下
    ハヤブサの急降下‐スピードアップ
    フクロウの待伏狩猟(滑空に近い加速飛行)

  ⅱ 慣性を利用した飛行―バウンディング飛行

    セグロセキレイのバウンディング飛行
    ヒヨドリのバウンディング飛行
    ムクドリの間歇羽ばたき飛行
    スズメの間歇羽ばたき飛行
    ツバメの渡り(波を追い越して吹く風を利用したバウンディング飛行)
    モズの着陸(投げ上げ着陸)
    巣穴のある木の幹に着陸するアカゲラ
    木々の枝を潜り抜けて樹上の巣に降り立つサシバ
    木々の間をすり抜けて飛行するサシバ

Ⅱ 羽ばたく飛行(羽ばたく飛行とは)

 1 体重と釣合う揚力での飛行(補足⑧)

  ⅰ 通常の飛行―巡行飛行 

    タンチョウの羽ばたき飛行
    ダイサギの羽ばたき飛翔
    翼を半たたみにして引き上げるムクドリの羽ばたき飛翔
    渡り途上のマガンの羽ばたき飛行
    ウミウの移動
    ウズラの渡り

  ⅱ 高速飛行―緊急飛行 

    ハシブトガラスの緊急加速羽ばたき飛行
    レースバトの羽ばたき飛翔
    セグロセキレイの羽ばたき飛翔
    ツバメのスラローム
    強風中のシロカモメの飛行
    ウミスズメの水中飛翔

  ⅲ 低速飛行

    チョウゲンボウの弱い風を利用したホバリング
    海面すれすれに飛ぶウミスズメ

  ⅳ 空中停止―ホバリング 

    スズメのホバリング
    ヒバリのホバリング

 2 体重と釣合わない揚力での飛行(補足⑨)

  ⅰ 通常の離陸

    コハクチョウの離水
    マガモの離水
    足のバネを利用して飛び立つアオサギ
    キジバトの離陸
    オオミズナギドリの荒れた海での離水
    コチョウゲンボウの離陸
    水面を疾走するカイツブリ

  ⅱ 緊急離陸―急上昇

    キジバトの緊急離陸
    キジの垂直離陸
    緊急離水するコガモ

  ⅲ 物を運ぶ飛行

    大きな獲物を運んでいるオジロワシの飛翔
    大きな獲物をくわえて飛び立つアジサシ
    深みにいる魚を捕獲後水中から飛び立つミサゴ

  ⅳ 軟着陸

    ドバトの小刻み羽ばたき着陸
    ユリカモメの軟着陸(空中/水面での一時停止)
    アホウドリの軟着陸(減速羽ばたき飛行)


    華麗なタンチョウの舞

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