⑮ ムクドリの間歇羽ばたき飛行

 ムクドリ(群来鳥)はスズメやカラスなどとならぶ日本の代表的な里の鳥として知られています。 つくば市の家の庭の芝生にも グループでよくやって来ます。 ムクドリは、羽ばたき飛行と 翼をすぼめた滑空飛行とを繰り返しながら、ほぼ直線的に飛行すると言われています(例えば、吉良幸世、自然はともだち、107頁、2000、自由学園出版局)。 重力の下でこのような間歇羽ばたき飛行をするためには、ほぼ重力に対抗する揚力が常に作り出されていなければなりません。 それは、翼の面積(たたみ・広げ)や迎角を調節して行われていると考えられます。 例えば、滑空飛行では、すぼめた翼を少しづつ広げて減速による揚力の低下を補い、羽ばたき加速飛行では、広げた翼の迎角を徐々に小さくして揚力を保持しつつ推力を上げていると思われます。

制作:2007年10月、実寸



 他方、投げ上げ角度の小さいバウンディング飛行をしているとすれば、翼をすぼめて ほぼ水平に投げ出された後 高度を下げて行き、バウンディングする位置の少し手前から翼を広げて羽ばたき始めて 投げ出された高度まで上昇し、そこで 翼をすぼめて 再びほぼ水平方向に投げ出されると考えられます。 この場合、すぼめた(翼面荷重を大きくした)翼にによる高速滑空は、水平飛行距離を伸ばすために重要であると考えられます。 これにはキジの飛行方法(緊急移動の方法)と相通じるものがあります。 いずれにせよ、ムクドリの間歇羽ばたきバウンディング飛行の姿形はヒヨドリのそれらとはかなり違っていると思われます。 

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