⑲ モズの着陸

 木の枝や崖の岩棚に着陸する鳥の多くは、着陸しようとする枝や岩棚に近づくと、尾を 上に曲げて体を起こし、翼の迎角を大きくして着陸する枝や岩棚の少し手前下方で失速し、 真上に投げたボールが最高到達点(枝や岩棚の位置)で停止するように(運動エネルギーを 位置エネルギーに変えて)、着陸します。 速度の水平成分が残っているときは、翼を前後に 羽ばたいて前方へ向かう気流を発生させ、その反作用力でブレーキをかけます。

制作:2000年4月、実寸(全長=20cm、翼開長=27cm)



 私の氏神様、下鴨神社(八咫烏が祀られている)の糺の森には、昔からカラスが棲息して います。 境内の参道や流鏑馬の馬場に(投げ上げ)着陸するハシボソガラスの姿を身近に見る ことができます。 カラスは地面すれすれまで滑空降下し、着地点に来ると体を起こして失速し、 数十センチ浮上して停止し、すとんと落下します。 このとき、足をバネのように使って衝撃を 和らげています。 投げ上げ着陸は、木の枝や岩場に着陸する場合に限らず、地面へ着陸する ときでも、失速速度を低くできる鳥には可能なようです。 逆に、コウノトリのように、木の上 の巣へパラシュート着陸する鳥もいます。 

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