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・オナガ の降り立つ姿
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安土桃山時代や江戸時代の飛翔姿の鳥の彫刻には、尾長鳥(極楽鳥とか不死鳥と呼ばれている
ところもある)の降り立つ姿をよく見掛けます。 それは、多分、尾長鳥の最も美しく見える飛翔のポーズではないかと思われます。
日本には昔から飛翔姿の鳥の彫刻が多く、例えそれが仮想の鳥であっても、身近で見られる類似した野鳥の飛翔姿を具に観察し、
その姿形や動きの特徴を表現したと見られ、力学的要点が正しく表現されています。 実際に身近で見られる野鳥のオナガは、
カラスの仲間で、つくば市の自宅にも、秋から冬にかけて、数羽の群れで、けたたましく鳴きながら、立ち寄って行きます。
オナガが庭の木の枝や芝生に降り立つときには、尾を大きく広げ(揚力や抗力を作り出す)、翼を全開して前方へ出し(モーメント
のバランスをとる)、少し上に傾け/少し湾曲させ(安定性や制御性を与える)、体を少し起こした姿勢(揚力や抗力を増し、着陸に
都合がよい体勢)をとります。 最終段階は 小さな落差の投げ上げ着陸によって完了するでしょう。
このような飛翔のポーズは、力学的に理想的な姿と考えられ、尾の長いキジやヤマドリの降り立つときにも見られるでしょう。
長い尾羽や 短腕で長い翼弦を構成する風切羽のしなやかで美しい三次元の動きをどのように表現するかが課題となるでしょう。
光の当て具合によって変化するブルーの美しさをどのようにして作り出すかも難しい課題です。
(2012年5月制作、実寸、1号)
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