⑨ セグロセキレイの羽ばたき飛翔

 セグロセキレイは、京都の河原でもよく見かける、バウンディング飛行する野鳥です。  羽ばたいて前方上方向へ加速した後、翼を畳んで放物運動し、高度が下がると再び羽ばたいて 前方上方向へ加速する行程を繰り返します。 このような間歇羽ばたき飛行は、連続羽ばたき飛行に 比べて省エネルギーであることが示されています。

制作:2000年7月、実寸(全長=21cm、翼開長=30cm)






 羽ばたき加速中の飛翔姿には、短腕・扇翼の小型の鳥の羽ばたき飛行の特徴が見られます。  進行方向に対してほぼ平行にした翼を上・下方向または後上・前下方向に羽ばたいて、上下動の大きな (三角形の翼の頂点部分にある)初列風切羽で 正/負の揚力を相殺させて推力を連続的に発生させ、 上下動の小さな(三角形の翼の底辺部分にある)次列風切羽で 揚力を連続的に維持している考えられます。  翼を引き上げるとき、初列風切羽は(その重なり方や小さな外弁/内弁比によって)自然に翼列を形成し、 それは 負の揚力を抑制し、正の推力を助長させるでしょう。 また、次列風切羽の(鳥の進行方向に対する) 傾きは、(その重なり方や長さによって)引き上げるときは自然に増し、打ち下ろすときは自然に減り、 それは 入射流に対する翼の迎角(揚力)を一定に維持するとともに、流れの剥離を防ぐでしょう。

制作:2003年3月、実寸

最初へ

次へ

分類表へ