⑤ ハヤブサの急降下

 ハヤブサが急降下するとき、その速さは秒速100m (時速360km) にも達すると言われています。  しかし、空気抵抗による損失を無視して、力学的エネルギー保存の法則(運動エネルギー+位置 エネルギー=一定)が成り立つとしても、かなり大きな落差および初速度が必要になります。 例えば、 静止した大気中を初速度 0 から急降下を始めたときは、500m もの落差が必要です。 秒速 20m (時速72km) の上層の風に乗り、羽ばたき飛翔で得た秒速 20m の初速度から急降下を始めたとしても、 300m の落差が必要です。 ハヤブサが速さの2乗に比例する大きな運動エネルギーをどのような方法で 得ているのかよく分かりません。 急降下の体勢で 安定性の保持や操舵の方法は カワセミの場合と ほぼ同様と考えられますが、補足の話題5話題6でも述べられています。 リチャード・バック(元パイロットの作家)の “かもめのジョナサン”に出てくる急降下の練習場面や、デービット・アッテンボローの“鳥たちの私生活” に出てくるハヤブサの高速飛行についての記述が思い出されます。

制作:1999年4月、実寸(全長=36cm、翼開長=81cm)

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