⑱ アホウドリの軟着陸(減速羽ばたき飛行)

 真っ直ぐに伸ばした翼を後上より前下へ打ち下ろし、続いて 迎角を大きくして 前下から後上へ 引き上げる、周期の短い羽ばたきによって、推力を抑え 揚力を増大させ得ることは ③ ドバトの小刻み羽ばたき着陸で説明されています。 アホウドリのような、アスペクト比が大きく 臨界速度の大きな 長腕の(大型の)鳥が、風に向かって地上に軟着陸するときにも、風が弱いとき このような羽ばたきをすることが知られています。 尾や水掻きを一杯に広げてフラップ効果を作り出し、モーメントのバランスをとるために、ほぼ真っ直ぐに伸ばし やや前にシフトさせた翼を後上と前下の間で上のように振動させていると考えられます。 定常翼の失速付近で効果的に行われる このような羽ばたきは“動的失速”として知られています(東昭、生物の動きの辞典、p.59、1997、朝倉)。


制作:2008年9月、縮尺:1/2(全長=91cm、翼開長=207cm)

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