斜列編隊飛行で渡るマガモの群れ


 マガモは比較的腕の長い中腕で中型の水鳥ですが、渡りではV字型(斜列)編隊飛行をします。 羽ばたきの仕方、隣の鳥との相対的配置や 羽ばたきの位相に特徴が見られます。


2014年10月制作、1/4縮尺、1号


V字型(斜列)編隊羽ばたき飛行の力学的考察

 長腕で2点ヒンジの羽ばたきをする鳥に限られます。 羽ばたきの全行程でほぼ一定の必要最小限の揚力が省力・省エネの羽ばたきで得られますが、 翼端から曳航渦が流出し誘導抵抗が発生します。 左右の翼端から流出する互いに反対方向の曳航渦を隣り合わせの鳥同士で重ね合わせて相殺し、 誘導抵抗を抹消します。 
 省力・省エネの羽ばたきでは、翼端の動きも小さく曳航渦の蛇行も小さいですが、このような2点ヒンジの羽ばたきではさらに小さくできます。 羽ばたきの位相を 前を行く鳥の翼端経路に同調させれば、曳航渦の相殺はさらによくなるでしょう。




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