敵の攻撃から逃避するシロチドリの群れ
シロチドリは海岸や河口で見られるやや大き目の小型の鳥で、秋から冬にかけて群れで生活します。
群れは水面近くを飛行し、敵に襲われると統一のとれた切れのよい方向転換で攻撃をかわしながら逃避し、近くの草叢や灌木の茂みみ逃げ込みます。
2014年4月制作、実寸、1号
切れのよい方向転換ができる鳥の逃避方法
単独の鳥では、体重が軽く翼面荷重が小さく高速で飛行できないが切れのよい方向変換ができる鳥は、敵が近づいて来たとき切れのよい方向変換で
身をかわします。 群れの鳥でも、狙われていると感じた鳥が群れの中へ逃げ込もうとすれば、それを合図に他の鳥達も逃げ込む鳥の方向に一斉に
切れのよい方向変換をします。
旋回方向と反対側の翼を強く打ち下ろすと、その翼には大きな推力が発生し重心まわりの大きな旋回モーメントを作り出すでしょう。
体は旋回方向に大きく傾き反対側の翼は下を向き翼に発生する大きな力は鳥を群れの中へ引きずり込むでしょう。 このとき広げた尾には
押し戻す力が発生し重心まわりの大きなモーメントを作り出すでしょう。 これら二つの同じ方向・向きのモーメントは併合して大きな旋回モーメント
になるでしょう。 鳥の全長から嘴と尾の長さを引いた値が小さく体重が軽いことは慣性能率が小さいことを意味しています。 方向変換の
切れがよいことは旋回の加速度(=旋回モーメント/慣性能率)が大きいことに対応しています。
次へ 戻る