晴れた日に海上を移動するヒヨドリの群れ-緊急逃避行動-
晴れた日に海上を飛行していたヒヨドリの大群がハヤブサの出現を感知してその急降下攻撃を避けるため海面すれすれの低空まで
いっきに降下する様は、統制のとれた集団行動、急降下飛行のオンパレード、失速墜落や錐揉み落下が急降下飛行の一種である証拠として
注目されます。 ヒヨドリは短腕で見分け難いのですが、翼のすぼめ方には“前向き腕の折畳み”と“後ろ向き腕の後方流し”の二つがあります。
前者はバウンディング飛行で、後者は羽ばたき飛行の引き上げ行程で見られる空気抵抗を最少に抑えるスタイルです。
2014年6月制作、実寸(少し小さ目)、1号
低空を飛んでいる鳥が高空を飛んでいる鳥を捕獲するには、高度差に対応する位置エネルギーを得るために力の負担・エネルギーの消費が
必要になります。 位置エネルギーを運動エネルギーで賄えば、その分飛行速度は低下します。 ガンやカモが高空を高速で渡るのはこのためです。
高空を飛んでいる鳥が低空を飛んでいる鳥を捕獲するには、高度差に対応する位置エネルギーを捨てるために力の負担・エネルギーの消費が
必要になります。 位置エネルギーを運動エネルギーに変えれば飛行速度は上がります。 これは逃走する鳥にとっては好都合ですが、獲物を捕獲する
鳥にとっては不都合です。 スピードの出し過ぎは飛行のコントロールを難しくし、まかり間違えば水面や地面に激突します。 ヒヨドリやシギ・チドリが
水面や地面すれすれの低空を高速で水面や地面に接触することなく巧みに飛行する技を身につけているのもこの理由から来ています。
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