草原や農耕地などの平地で散らばって採餌していたカワラヒワの群れ(秋冬の非繁殖期、数十から数百羽)がほぼ一斉に飛び立つとき、まず、群れの周辺部分にいた鳥達が、
散らばった群れの上を乗り越えるように飛び立ち、これに続いて、近隣にいた鳥達がその後を追いかけるように次々に飛び立って行くのが見られます。 これは、それぞれの居場所が分散した
群れに“出発するぞ(次の餌場へ行くぞ)”という情報を伝達する方法の一つとも見てとれます。
体重を十分に超える揚力が作り出せる小型の鳥にとって、群れの離陸や着陸には、力学的観点から特に問題になることはありませんが、敢えて何かを言わんとすれば、先に出発した鳥が
作り出す下降気流の地面での跳ね返りや鳥が引き連れる前方へ向かう気流によって、後から出発する鳥は多少の省力・省エネルギーの恩恵を受けるのではないかということぐらいでしょう。
群れの飛び立ちが完了すると、空気を介しての多体間相互作用がほとんどないとみられる間隔になって、スピードアップして、次の目的地へ向かって行きます。
2014年8月制作、実寸、1号