鳥の飛行に必要な力学的条件


 鳥が飛行するためには、飛行に必要な揚力や推力を発生させるだけではなく、
いろいろな力学的条件が満たされていなければならない。

   力のバランス (鳥が周囲の空気から受ける力、重力、慣性力の和が 0 になっている)

   モーメントのバランス (鳥が周囲の空気から受ける力の重心に関するモーメントが
                     0 になっている)


   安定性 (飛行の体勢を安定に維持できる)

   制御性 (大気の乱れなどに即応して姿勢を復元できる)

   操舵性 (方向転換が望む方向に切れよくできる)

   抵抗の節減 (誘導抵抗を減少させ、境界層剥離や大きな乱れの発生を防止し、
                     空気の摩擦抵抗を最小限に抑える)

   力の負担 (それを最小限に抑え、筋力の範囲内で飛行できる)

   エネルギーの消費 (それを最小限に抑え、体力の範囲内で飛行できる)

   構造強度 (翼や羽根が体重を支え・羽ばたくのに十分な強度をもち、外か受ける
                     予期せぬ力にも耐えられる)



 目的・環境・能力に合せて、これらの条件の全てにわたって総合的に優れた姿形
ー力学的に理想的な姿形ー が最も自然で美しく感じられる。


 羽ばたき飛行の数値解析や羽ばたき模型機の難しさもここにある;翼を上下に動かすだけ
では解答にならない。


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