鳥と空気の動きの多重構造
飛んでいる鳥やその周囲の空気の動きにはいろいろな大きさの時間がある。
① 羽ばたきの周期より大きな時間: 連続羽ばたき飛行、間歇羽ばたき飛行、滑空飛行、
急降下、離陸、着陸、など
② 羽ばたきの周期と同程度の時間: 手首・肘・肩の関節の屈伸、翼幅方向に異なる翼弦・
迎角・反りの時間的変化、風切羽の畳み・広げ、
風切羽の隙間のできる分離、など
③ 羽ばたきの周期より小さな時間: 揚力や抗力(循環流や後流)が発生や消滅する時間、
など
より小さな時間での動きの力学的作用・効果は、累積・平均化されて、より大きな時間に
現れる。
小型の鳥では、③は②に近づき、力学的作用・効果は複雑になる。 非定常力学の代表的課題
羽ばたき飛行は、①の時間で見れば、航空機の飛行に類似して見えるが、②や③の時間で
見れば、それとは全く違って見える。 (多重構造現象の特徴)
肉眼で直接見える飛翔姿は、時間の大きさに制限がある。
小さな時間に見える飛翔姿(スナップ写真や絵画・彫刻)は、大きな時間に見える飛翔姿
(テレビやビデオの映像)とは異なる。
飛んでいる鳥やその周囲の空気は、長さに関しても多重構造をもっていて、鳥に固有な
立体造形の美しさ(形態・色彩)を作り出している。
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