オナガの降り立つ姿

 オナガが木の枝や芝生に降り立つときには、尾を大きく広げ(揚力や抗力を作り出す)、翼を全開して前方へ出し(モーメントのバランスをとる)、少し上に傾けて湾曲させ (安定性や制御性を与える)、体を少し起こした姿勢をとる(揚力や抗力を増し、着陸に都合のよい体勢)。 最終段階は、小さな落差の投げ上げ着陸によって完了。 このような 飛翔のポーズは力学的に理想的な姿と考えられる。
 安土桃山時代や江戸時代の飛翔姿の鳥の彫刻には、尾長鳥(極楽鳥、不死鳥)の降り立つ姿をよく見掛ける。 多分、尾長鳥の最も美しく見えるポーズではないかと 思われる。 日本には昔から飛翔姿の鳥の彫刻が多く、例えそれが架空の鳥であっても、身近で見られる類似した野鳥の飛翔姿を具に観察し、その姿形や動きを表現したと 見られ、力学的要点が正しく表現されている。  (2012年4月制作、実寸、1号)

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