熱上昇気流に乗って帆翔する トビ




 滑空の降下速度を上昇気流の速度に合わせ、旋回方向に 翼を少し傾け 尾を捻って 大空に輪を描く。
 橿原市の四条遺跡の円墳からほぼ完全な形で出土した翼を水平に広げた木製の鳥(6世紀前半)を思い起こす。 翼を水平に広げただけで強い上昇気流に乗ってぐんぐん舞い上がり雲間に消えて行くトビを眺め、天国へ通う便を想像したであろう大和朝廷時代の人々の心情が伺える。 この木製の鳥は日本における飛翔姿の鳥の彫刻の元祖。  (2004年1月制作、1/2縮尺、2号)


                                                          

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